【科研費】若手研究に採択

日本学術振興会の令和6(2024)年度科学研究費助成事業(科研費) の「若手研究」に応募していた、研究課題名「原発避難者の移行経験に関する理解と対話を広げる映像エスノグラフィー研究」が採択されました。

初の科研費申請でしたが、「若手研究」(年齢はもう若手じゃないですがw、博士号取得後8年未満の要件を満たしている)は他の枠より通りやすいということで、挑戦して良かったです。
東京電力福島第一原子力発電所事故からもうすぐ13年が経過しますが、現在も26,609人の方々が避難された状態です。原発事故による避難が人びとのライフコースにどのような「移行(ある状態から別の状態への変化)」経験をもたらしてきた/いるのか、10年を超える長期避難生活における移行経験を映像エスノグラフィーのアプローチで描き出します。また、移行理論のフレームワークによる分析で、移行プロセスとアウトカムの背景にある個人的及び社会的条件を明らかにすることを目指します。2024年度から4年間の研究です。

この研究計画は、これまで取り組んできた研究内容や方法論を発展させたものですが、青砥和希さん(東日本大震災・原子力災害伝承館常任研究員)との出会いや、青砥さんがつないでくださったたくさんのご縁がなければ着想できなかったものです。青砥さんと青砥さんのご紹介でつながったみなさまには感謝と、これから頑張るのでよろしくお願いしますという気持ちです。

【論文】国際論文誌に査読付き論文が掲載

Our article “Visualising Rapid Life Transitions: Ethnographic Documentary Filmmaking Through Smartphone-Based Collaborative Research” has been published in the International Journal Visual Ethnography!
It’s open access.
水野大二郎先生と2018年から取り組んできたプロジェクトについてまとめた査読付き論文“Visualising Rapid Life Transitions: Ethnographic Documentary Filmmaking Through Smartphone-Based Collaborative Research”が、国際論文誌Visual Ethnographyに掲載されました。
Visual Ethnographyは、私が博士課程の学生だった頃から読み続けてきた、思い入れのある論文誌の一つです。今回掲載された論文では、水野先生とご家族が経験された急速な人生移行、悲嘆と受容、回復に向かうプロセスを、スマートフォンを用いて協働的に理解しドキュメンタリー作品『Transition』として映像化したプロジェクトを研究対象としました。
このプロジェクトでは、水野先生はほぼ毎日スマートフォンのカメラで自分の生活を撮影し日誌を書き、私はその内容について毎週のようにインタビューする(合計28回)という、ややエクストリームな調査を実施しました。論文では、私たちが複数の方法論を組み合わせて研究を展開した過程を振り返り、説明し、水野先生のスマートフォンで撮影された写真・映像の特徴を分析しました。また、スマートフォンが多くの人の日常生活の一部となっている現在、人生移行の経験をどのように理解し、可視化できるかを考察しました。
博士論文を書き終えたと同時に着手し、必死に取り組んだプロジェクトでした。プロジェクトを応援してくださった方々に感謝します。
オープンアクセスなので、リンク先から論文のPDFをダウンロードいただけます。

【国際会議】T2M 19th Annual Conferenceで発表します。

水野大二郎先生との共同研究、COVID-19 影響下でのNintendo Switch『あつまれ どうぶつの森』のプレーヤーの経験についての調査結果を、国際会議T2M 19th Annual Conference –Mobilities in transition: circulation, appropriation, globalizationで発表することになりました。

We will present our study on “Animal Crossing” players in Japan at the T2M 19th Annual Conference –Mobilities in transition: circulation, appropriation, globalization.
-Kana Ohashi and Daijiro Mizuno , Exploring the experiences of virtual travels under the COVID-19: A visual ethnographic study in Japan

【WEB】HinT table 始動

アーツカウンシル東京主催 2019年度 思考と技術と対話の学校で、大橋香奈がナビゲーターを務めた「東京プロジェクトスタディ ‘Home’ in Tokyo −確かさと不確かさの間で生き抜く-」のスピンオフ企画として、新たにHinT tableが始動しました。そのコンセプトの説明や活動の記録は、開設したウェブサイトに掲載します。

HinT tableの成り立ちをふまえて、現在フランスで活動している友人のChisato Tatsuyamaがウェブサイト用のイメージを作ってくれました。活動の記録を残す拠点として、このウェブサイトを大切に育てていきたいと思います。

【WEB】東京プロジェクトスタディ ‘Home’ in Tokyo アーカイブサイト公開

アーツカウンシル東京主催2019年度思考と技術と対話の学校で、2019年8月から2020年1月まで活動した「東京プロジェクトスタディ ‘Home’ in Tokyo 確かさと不確かさの間で生き抜く」のプロセスをまとめたアーカイブサイトが公開されました。

半年間の活動を通して、参加メンバーがリサーチし、制作した映像作品の上映会を2月に予定していましたが、そちらは新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、残念ながら延期となりました。開催できる機会がくることを願いつつ、今はみんながそれぞれの場所で、自分や大切な人びとを守りながらできることに取り組み、一日も早くウイルスの感染拡大を抑えられる日が来ることを祈っています。