
【論文】国際論文誌に査読付き論文が掲載

by Kana Ohashi (Ph.D.)

分担執筆で参加した書籍『パブリック・ヒストリーの実践:オルタナティブで多声的な歴史を紡ぐ』(慶應義塾大学出版会)が、刊行されました。
私は、共同研究者のJaz(アムステルダム応用科学大学Civic Interaction Design)と、東日本大震災の津波の被害を経験したゆみこさん(仮名)とともに取り組んできた映像制作のプロジェクトをふりかえり、「語りにくさの構造」について書きました。
・大橋香奈「第6章 何のためなら災禍をめぐる経験を語れるのか?──映像制作を通して共に考える」
昨年まで2年半の間に、ゆみこさんに10回のインタビューと実家のあるX町での4回のフィールドワークにご協力いただき、共に考えて、「語りにくさの構造」を乗り越える方向性を見出すことができました。ご家族にもたくさんお話を聞かせていただきました。
私がこの書籍に参加して考えをまとめることができたのは、編著者の笠井賢紀先生(慶應大)のおかげです。笠井先生が、企画から研究会の開催、研究費の管理、分担執筆者たちの多岐にわたる研究を(それぞれ個性ある研究者たちに連絡して調整しながら)一つの書籍に束ねていくための、大小様々な仕事をしてくださっていました。私なんか想像するだけでクラクラしてしまうことを、自分の研究も進めながらやりとげてしまう笠井先生、感服です。ありがとうございました。
この章で書いたプロジェクトから学んだことを、新たにワークショップとして展開していく企画を、Jazと島影さん(公立はこだて未来大学)と考えていますが、これについてはまた今度。

建築コレクティブ「GROUP」が手がける書籍『ノーツ 第二号 引越し』に、インタビュー記事が掲載されました。ノート(note)という言葉には記録や注、覚え書きといった意味がありますが、『ノーツ』は、掲げられたテーマについてのインタビュー集とそれに対するたくさんの注釈が束ねられた本です。インタビューでは、私自身の引越しの経験や、そこから生まれた視点をどのように研究で展開しているかなどを語っています。取材を受けたのはコロナ禍真っ只中の時期だったので、もはや記憶が薄れていましたが、先日校正作業で注釈がつけられた原稿を読みながら振り返るのは楽しかったです。
オンラインショップで購入できるところが何箇所かあるようです。


今年度も、大橋ゼミの2,3年生のメンバー一人ひとりが企画し実施した調査研究「マイプロジェクト」の成果を、ビジュアル・エッセイ集『Visual Essays Vol.04』として冊子にしました。
冊子をオンラインで公開する予定はないですが、目次をご覧いただくと、ゼミのメンバーがどんな個人研究をしてきたか、少しご確認いただけるかと思います。
2年生のビジュアル・エッセイ集

3年生のビジュアル・エッセイ集

2023年4月27日発行の書籍『WORKSIGHT[ワークサイト]19号 フィールドノート 声をきく・書きとめる Field Note』(発行:コクヨ/発売:学芸出版社)に、インタビュー記事「映像エスノグラフィーから考える 大橋香奈」が掲載されました。
人類学者達のノート論をテーマにした特集の取材で、私自身は「人類学者」と名乗ったことはないのですが、著名な人類学の先生方に紛れ込んで取り上げていただき、光栄であり恐縮でもあります。
これまで人類学的アプローチである「映像エスノグラフィー」を用いて研究してきた中で、実践してきたことや考えてきたことを言葉にする機会になりました。取材し記事を執筆・編集してくださった浅野翔さんと宮田文久さんに感謝です。
今年度も、大橋ゼミの2,3年生のメンバー一人ひとりが企画し実施した調査研究「マイプロジェクト」の成果を、ビジュアル・エッセイ集『Visual Essays Vol.03』という冊子にしました。
メンバー全員分(2年生16名、3年生16名)の32本のビジュアル・エッセイを学年別で束ねました。
冊子をオンラインで公開する予定はないですが、目次をご覧いただくと、ゼミのメンバーがどんな活動をしてきたか、少しご確認いただけるかと思います。
2年生のビジュアル・エッセイ集

3年生のビジュアル・エッセイ集

4年生16名は全員が無事に卒業研究を完成させ、3月23日に卒業式を迎えることができました。卒業式ではみんな自信を持った晴れやかな表情に見えて、胸が熱くなりました。
そして、ゼミ生の中條友貴さんの卒業制作「現代を生きる大学生の働き方の選択」(ドキュメンタリー映像)が、東京経済大学コミュニケーション学部の最優秀卒業制作・卒業論文賞を受賞!彼女は2年次にこの卒業研究を構想し、2020年10 月から映像作品の制作のための調査と撮影を開始。約2年間かけて、3 人の調査対象者と信頼関係を築きながら、彼/彼女の生活についての丹念な観察とインタビューを重ねました。自分と同じ立場である大学生がどのような目標を持ち、その目標のために何に取り組んでいるのか、将来に対してどのような不安や葛藤、夢を抱いているのか。大学生の働き方の選択のプロセスを、彼/彼女に伴走しながら、ドキュメンタリー映像作品として丁寧に描き出しました。彼女の研究の過程で一緒に考えた時間は、私にとっても刺激があり学んだことが色々ありました。彼女の受賞は、自分が何かで褒められるより嬉しい出来事でした。

日本建築学会の『建築雑誌』に論考が掲載されました。
・大橋香奈(2023)論考4 日常生活の構造を理解する―「時空間日誌」を手がかりに,『建築雑誌』, 2023-3月号, 日本建築学会, pp.34-35.
http://jabs.aij.or.jp/backnumber/1772.php
特集のテーマは「漂白の地表で」ということで、東日本大震災後の現在の福島の日常についての記事が多く掲載されていますが、私の論考では福島については触れておらず、日常生活の理解について書きました。福島県には夫の実家があり個人的なつながりはありましたが、研究活動での関わりは、昨年、福島ビエンナーレへの参加(@コミュニティ・カフェ EMANON)の機会をいただいたり徐々に広がっており、今後、深めるために動き出しているところです。他のみなさんの論考から学びたいと思います。『建築雑誌』編集担当の皆さま、特に編集委員長の岩佐明彦先生、編集委員の前田昌弘先生にお世話になりました。ありがとうございました。
